2020年12月17日木曜日

少しずつ変になる映画 "EXHIBIT A"


・苦手な人は苦手な映画・

 最近ファウンドフッテージ映画にハマっている。前回感想を書いたグレイブエンカウンター1&2がまさにその映画。ピンと来ない人はファウンドフッテージと検索してみるとWikipediaにどう言うジャンルなのかが出てくるので是非検索してみて欲しい。
 面倒な人はファウンドフッテージがどんなジャンルなのかをここに少し記すので根気よく読んでみてね。

 ファウンドフッテージとはファウンド=見つかった、フッテージ=記録(多分あってる)という意味。映像に映る人物たちが何かしらの事件に巻き込まれ、偶然回していたビデオカメラが後々見つかった、といった設定を持つジャンルの映画。
 ブレアウィッチプロジェクトが最も有名なファウンドフッテージだと思う。

  今回の映画、EXHIBIT Aという映画はとある一家の大黒柱の男が少しずつ狂っていく様を描いている。

 序盤はなんて事のない普通の家族風景をしばらく見せられる。正直退屈と言う他ないのだが、この映画はその普通の映像が後々効いてくる。 やたらカメラに映りたがるうざったい長男だったり、ノリのいい親父だったり、内気なカメラマンの長女や、普通の母親など。わりと楽しそうな家族の日常風景。ただ、映像の端々に映る違和感に退屈な映像を飽きさせない工夫がなされている。

 最初はカメラマンの長女から、どういった人物なのかが垣間見えるようになっている。ビデオカメラで家族模様を写したり、自室の紹介をしたり(Youtuberみたいだった)”ビキニ姿で日向ぼっこする隣の家のお姉さんを写したり”。こういった何気ないところからカメラマンの彼女には隠したい気持ちなどが存在することを視聴者に感じられるようになっている。

 それからそれぞれの家族が簡単に紹介される。

 え〜っと、ここまでつらつら書き記しているのだが、この映画は最終的にはホラー仕立てになってはいるものの、激しいスプラッターだったりがある映画ではないのでそれを期待しないでくださいまし。家族が少しずつ壊れていく様をぶきみにじわりじわりと感じさせてくるのがこの映画である。

 この映画の中盤に出てくる”プール”から話の流れが動き出す。

 父親が庭にプールを作るといって奥さんには内緒でいきなり工事を始めたり、視聴者も困惑するような(多分わざと困惑するように仕向けている)展開が始まる。

 ながら見で見ている(映画ファンには申し訳ない)し、日本語で見ていないので詳しい会話内容は分からないが、とにかく家族のすれ違いが”プール”の一件から始まる。

 人を招いたパーティーで親父がままならない人生に踊らずにはいられなくなったり(当惑する客人たちを尻目に躍り狂う)、パーティー模様を録画していた長女からカメラを取り上げて招いた客人たちと一緒に見ようとしたり。

 ちなみに客人とビデオ内容を改めているシーンは映画では割愛されているのだが(そりゃファウンドフッテージ映画なので、カメラを取り上げられたら記録はされない)、どうやらこれまで長女が録画していた隣の人のビキニ映像だったりが客人の目に触れたのだと思う。正直直接的なホラー展開じゃない分、身近にあって不思議ではない流れを見せつけられて、なぜだか心臓がばくばくしてしまう。

 ※ネタバレ注意

 ここからは家族がどうして破滅するのかをちょっぴり描きたい。

 といってもものすごくシンプルで、おかしくなった親父が家族全員ぶち殺してしまうのである。首を閉めて殺したり、別の部屋で頭をかち割った長男をカメラのある部屋に連れてきたり。直接的な殺害シーンがうまい具合にカメラの外にあるので想像がかき立てられ、妙なリアル感が妙に怖い。

 誰にでも秘密がある。どうもそれがこの映画の鍵になっている。

 父親を狂わせたのもその隠し事である。

 隠し事を誰もいない家で暴く父親のシーンはすごく気持ち悪い。家族のクローゼットやタンスなどを暴いて、本当に見られたくないものを次々と発見していく。

 秘密を共有すれば再び仲良くなれるはずと思っての秘密暴きは、見ている側も変な汗が出てくる。直接的な恐怖シーンはない代わりに、じわりじわりと忍び寄りいつの間にかヤバイ空間の真っ只中に置かれて嫌悪感マシマシの映像を見せられる。この映画はそんな作りになっている。

 正直、この映画は二度とみることはないだろうし、これからの人生には何の影響も及ばさないような映画ではあるが、ちょっと嫌な気持ちになりたいなーって思う人は一度見てみるのもアリではないだろうかと思いました。

それでは今日はこのぐらいで。

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